「捕まるかもしれない」と不安なときに知っておくべき対処法

2024年03月19日
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「捕まるかもしれない」と不安なときに知っておくべき対処法

令和4年に木更津市内で発生した犯罪は1074件で、前年の1031件より微増しました。全国でも犯罪件数は増加傾向にあり、特に街頭犯罪(自転車盗・車上狙い・ひったくり等の窃盗や、路上強盗・暴行・恐喝等)の認知件数は、前年比+14.4%と大幅に増加しました。

つい犯罪に手を染めてしまい、「いつ捕まるのか」「逮捕されたらどうしよう」と不安に感じている方は、まずはお早めに弁護士へご相談ください。刑事事件の実績がある弁護士が、示談や自首のサポートなど、罪の軽減や逮捕を回避するために力を尽くします。

本記事では、捕まるかもしれないと不安に感じた場合の対応について、ベリーベスト法律事務所 木更津オフィスの弁護士が解説します。

出典:「木更津市統計書(令和4年版)」(木更津市)、「令和4年の犯罪情勢」(警察庁)


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1、逮捕とは? 捕まったときの流れと基礎知識

捜査機関に犯罪を疑われると、逮捕されることがあります。まずは、逮捕に関する基本的な事項を解説します。

  1. (1)逮捕とは

    「逮捕」とは、罪を犯したと疑われている者(=被疑者)の身柄を拘束する強制処分です。

    検察官・検察事務官・司法警察職員(警察官)は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官が発付する逮捕状によって被疑者を逮捕できます(刑事訴訟法第199条第1項)。

    また、現行犯人については逮捕状なしで逮捕できるほか(同法第213条)、死刑・無期・長期3年以上の懲役または禁錮に当たる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があって急速を要するときは、逮捕状の発行より前に緊急逮捕が認められることもあります(同法第210条第1項)。

    逮捕の期間は最長72時間で、被疑者は警察署の留置場などで身柄を拘束されます。逮捕期間の経過後は、勾留に移行して引き続き身柄を拘束されるか、そうでなければ釈放されます。

  2. (2)被疑者は必ず逮捕されるわけではない|在宅捜査の場合もある

    刑事事件の被疑者は、必ず逮捕されるというわけではありません被疑者が在宅の状態(身柄を拘束されない状態)で捜査が進められることもあります

    どのような状況であれば逮捕される可能性が高い(低い)のかについては、「2、逮捕される可能性が高いケース・低いケース」で詳しく解説します。

  3. (3)逮捕された後の手続きの流れ

    被疑者が逮捕された場合、その後の刑事手続きは以下の流れで進行します。

    1. ① 警察官・検察官による取り調べ
      逮捕期間(最長72時間)のうちに、警察官および検察官の取り調べが行われます。被疑者には黙秘権があるため、取り調べにおける質問には答えなくても構いません。警察官および検察官に「弁護士に依頼したい」といえば弁護士と接見し、どのように回答すべきかアドバイスを求めることができます。

    2. ② 勾留請求
      被疑者による罪証隠滅や逃亡を防止するため、引き続き被疑者の身柄を拘束する必要があると判断した場合、検察官は逮捕期間が満了するまでに、裁判官に対して勾留請求を行います。勾留請求が行われない場合や、勾留が認められなかった場合には、被疑者は釈放されます。

    3. ③ 起訴前勾留
      勾留状が発せられると、被疑者の身柄はさらに10日間拘束されます。勾留期間は、通算で最長20日間まで延長が認められています(刑事訴訟法第208条)。

    4. ④ 起訴・不起訴
      勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を起訴するかどうかを判断します。被疑者が勾留されずに釈放された場合には、検察官は任意のタイミングで起訴するか不起訴とするかを決定します。
      被疑者が起訴された場合は、刑事裁判にかけられることになります。不起訴処分となった場合には、刑事手続きはそこで終了です。

    5. ⑤ 起訴後勾留
      勾留されている被疑者が起訴された場合、被疑者ではなく被告人として引き続き身柄が拘束されます。ただし、裁判所に対する保釈請求により、保釈保証金を預けることを条件に保釈が認められることがあります。

    6. ⑥ 公判手続き
      裁判所の法廷において、有罪か無罪か、有罪の場合は量刑をどうするかが審理され、最終的に判決が言い渡されます。判決に不服がある場合は、高等裁判所への控訴および最高裁判所への上告をすることができます。

    7. ⑦ 刑の執行
      被告人に対する有罪判決が確定した場合は、その判決内容に従って刑が執行されます。ただし、執行猶予が付された場合には、刑の執行が猶予されます。
  4. (4)逮捕されても不起訴となる場合がある

    逮捕されたとしても、直ちに刑罰を受けることが確定するわけではありません。検察官の判断によって不起訴処分になり、刑事裁判(公判手続き)にかけられずに終わることもあります。

    特に、比較的軽微な犯罪であれば、きちんと反省をして被害弁償を行えば、不起訴となる可能性が高いといえます。早期に刑事手続きから解放されるためには、不起訴に向けた弁護活動が重要になります。

2、逮捕される可能性が高いケース・低いケース

逮捕には予告や前兆がないため、実際に逮捕されるかどうかを正確に予測することは困難です。しかし、犯罪の性質などによって、逮捕される可能性がどのくらいあるか、ある程度の予測はできます。

  1. (1)逮捕される可能性が高いケース

    逮捕される可能性が高いのは、犯罪の内容や結果がある程度重大である場合です。たとえば以下のような場合には、逮捕される可能性が高いと考えられます。

    • 故意に暴行をして被害者に傷害を負わせた
    • 故意に財産を盗んだ
    • 多額の商品を万引きした
    • 故意に被害者の性的尊厳を傷つける行為をした
    • 大麻、覚醒剤、麻薬、向精神薬を違法に所持していた
    など
  2. (2)逮捕される可能性が低いケース

    これに対して、犯罪の内容や結果が比較的軽微である場合には、逮捕の必要性は低いと判断される傾向にあります。

    一概にはいえませんが、たとえば以下のような場合には、逮捕される可能性は低いでしょう。

    • 他人の住居に正当な理由なく侵入したが、被害者は強く問題視していない
    • 他人の物を盗んだが、きわめて少額であり、被害者との間ですでに示談が成立している
    など


    また、犯罪の重大性がそれほど高くなく、かつ被疑者に罪証隠滅や逃亡のおそれが認められない場合にも、逮捕は行われずに被疑者在宅で捜査が進められることがあります。

3、「捕まるかもしれない」と不安になってもしてはいけないこと

犯罪の疑いで捕まるかもしれないと不安になったときにこそ、冷静な対応が求められます。

特に、犯罪捜査から逃れようとする行動をすると、その事実が悪い情状として評価され、後に行われる刑事処分が重くなるおそれがあります。捕まるかもしれないと不安に思っているとしても、以下の行動は避けてください。



  1. (1)罪証の隠滅

    犯罪の証拠(=罪証)を隠滅する行為は、後に発覚するときわめて悪い情状として評価されます。その結果、通常であれば不起訴で済むところを起訴されたり、刑事裁判で量刑が加重されたりするおそれがあります。

    このような事態を避けるため、罪証を隠滅することは避けましょう。

  2. (2)逃亡

    犯罪捜査から逃げ続けることも、罪責に対してきちんと向き合わない態度の表れとして、悪い情状と評価されます。罪証の隠滅と同様に、起訴や量刑加重の可能性が高まるので注意が必要です。

    逮捕を避けるためには、逃亡を試みるのではなく、むしろ被害者との示談や自首を検討しましょう。

  3. (3)警察からの連絡を無視する

    警察から任意出頭などを求める連絡を受けた場合には、もはや被疑者の居場所や行動は警察に把握されていると考えるべきです。このような状況において、警察からの連絡を無視して逃げようとしても、早晩逮捕されてしまうでしょう。

    いずれにしても捜査から逃れることは困難なので、警察を無視するのではなく、捜査に協力して良い情状を作り、不起訴や量刑の軽減を目指しましょう。

4、「捕まるかもしれない」と不安に思ったときの対処法

犯罪によって捕まるかもしれないと不安に思ったときは、刑事手続きから早期に解放されるため、以下の対応を行いましょう。



  1. (1)被害者との示談を試みる

    被害者がいる犯罪では、被害者との間で示談を成立させて被害弁償を行えば、被疑者にとってとても良い情状となります。特に不起訴処分を目指すに当たっては、被害者との示談を成立させることは非常に重要です。

    ただし、性犯罪や暴行事件などにおいては、被害者が加害者本人との接触を拒むケースも少なくありません。自ら無理にコンタクトをとるのは厳禁です。速やかに弁護士に相談しましょう。

  2. (2)自首する

    罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽できるとされています(刑法第42条第1項)。また、起訴前の段階でも、被疑者が自首したことは良い情状と評価され、不起訴処分となる可能性が高まります。

    不安であれば弁護士が自首に付き添うことも可能です。任意出頭の要請や逮捕がなされる前に、自首して罪を償うことも検討してみましょう。

  3. (3)弁護士に相談する

    被害者との示談交渉や自首するかどうかの判断については、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

    弁護士は犯罪の内容や被疑者の状況に応じて、今後の捜査に対してどのように臨むべきかをアドバイスいたしますまた刑事手続きの流れについても分かりやすく説明し、実際に取り調べや刑事裁判を受けることになった場合には、弁護人として被疑者・被告人を守ります

    犯罪で「捕まるかもしれない」と不安に感じている方は、お早めに弁護士へご相談ください。

5、まとめ

捕まるかもしれないと不安に感じた場合は、罪証の隠滅や逃亡に走るのではなく、被害者との示談や自首などを検討しましょう。きちんと罪を償う姿勢を見せることで、刑事手続きから早期に解放される可能性が高まります。

ベリーベスト法律事務所 木更津オフィスでは、刑事弁護に関するご相談を随時受け付けております。犯罪によって逮捕されるのではないかと不安に感じている方は、まずはベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています