交通事故被害の対応を弁護士に依頼した場合の流れを解説

2023年11月28日
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交通事故被害の対応を弁護士に依頼した場合の流れを解説

木更津市が公表している交通事故の統計資料によると、令和4年に木更津市内で発生した交通事故の件数は368件でした。前年の交通事故の件数が367件であったため、ほぼ同水準の推移です。

交通事故の被害に遭ってしまった場合には、加害者側の保険会社との示談交渉をはじめとする、さまざまな対応が必要になります。これらの対応は被害者本人が行うこともできますが、弁護士に対応を依頼することも可能です。

本コラムでは、交通事故被害の対応の流れや弁護士に依頼することのメリットとデメリットについて、ベリーベスト法律事務所 木更津オフィスの弁護士が解説します。


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1、交通事故後、弁護士に相談すべきタイミング

まず、交通事故にあった被害者が弁護士に相談すべきタイミングを解説します

  1. (1)保険会社から治療費の打ち切りを打診された

    一般的には、病院での治療費は、加害者側の保険会社が支払ってくれます。
    しかし、交通事故のケガの治療を続けていると、あるタイミングで保険会社から治療費の打ち切りの打診を受けることがあります。

    このような場合には、保険会社に対して、治療費の支払いを延長してもらったり、被害者側で治療費を立て替えて治療を継続したりするなどの対応が必要になります
    しかし、被害者自身では、保険会社から打ち切りの打診を受けてもどのように対応すればよいかがわからず、不適切な対応をしてしまうことで将来に受け取れる慰謝料の金額が減ってしまうなどのリスクもあります。
    そのため、保険会社から治療費の打ち切りを打診されたら、早めに弁護士に相談しましょう。

  2. (2)後遺障害等級認定結果に納得できない

    ケガの治療を継続してもこれ以上症状の改善が見込めない状態を「症状固定」といいます。

    症状固定時点で残存している症状については、後遺障害等級認定の対象になります。
    しかし、適切な後遺障害等級認定を受けるためには、専門的な知識や経験が必要となります。
    もし認定された後遺障害等級に納得できない場合には、弁護士に相談してください。

  3. (3)保険会社から賠償額の提示を受けた

    保険会社から賠償額の提示を受けたとしても、一般の方ではその金額が適正なものであるかどうかを判断するのは困難だといえます。
    また、いちど成立させた示談を、後からやり直すことはできません

    保険会社から賠償額の提示を受けたら、示談を成立させる前に弁護士に相談を行い、提示額が妥当なものであるかどうかを確認してもらいましょう。

  4. (4)自分だけで対応するのに不安がある

    交通事故の被害に遭うことは、多くの方にとって初めての経験です。
    不慣れな状況で保険会社とのやり取りを行うのには不安を感じることも多いでしょう。

    基本的に、弁護士に相談するのは早ければ早いほどよいといえます
    少しでも不安を感じたら、その時点で弁護士に相談してください。

2、弁護士に依頼した場合のメリット、デメリット

以下では、弁護士に交通事故被害の対応を依頼することのメリットとデメリットを解説します。

  1. (1)弁護士に交通事故被害の対応を依頼した場合のメリット

    弁護士に交通事故被害の対応を依頼することには、以下のようなメリットがあります。

    ① 保険会社との対応を任せることができるため精神的ストレスが軽減する
    事故処理に必要な書類のやり取りや賠償金の交渉は、被害者と加害者側の保険会社との間で進めていくことになります。
    しかし、交通事故のケガの治療のための通院や日常の家事・仕事で忙しい状況で、保険会社の対応までしなければならないことは、被害者にとっては大きな負担となります。

    また、保険会社の担当者は、複数の交通事故事案を扱っていますので、被害者との間には、知識や経験の面で圧倒的な格差があります。
    専門的な知識や経験を持たない個人が、保険会社の担当者を相手に示談交渉を行っても、有利な結果を得るのは困難でしょう。

    弁護士に依頼すれば、保険会社とのすべての対応を弁護士に任せることができます
    被害者にとっては交渉にかかる負担を軽減できるほか、交渉のプロである弁護士が示談交渉を担当することで、自身が交渉を行うよりも有利な結果が得られる可能性を高められるのです。

    ② 適正な後遺障害等級認定を受けられる
    後遺障害等級認定の手続きには、被害者請求と事前認定の二つの方法があります
    被害者請求では、書類の収集および作成をすべて被害者側が行わなければなりません。
    事前認定では、書類の収集および作成は加害者側の保険会社が行います。

    両者を比べると、事前認定の方が被害者にとっての負担は少なくなります、加害者側の保険会社が書類を作成するために、被害者にとって有利な等級が認定される可能性は少なります。そのため、適正な後遺障害等級認定を受けるためには、被害者請求を行うべきです。
    弁護士に依頼すれば、面倒な書類の収集や作成をすべて弁護士に任せることができるため、被害者請求であっても被害者本人の負担はほとんどなくなります。

    ③ 慰謝料を増額できる可能性が高くなる
    慰謝料の算定基準には、以下の三つの基準があります。

    • 自賠責保険基準
    • 任意保険基準
    • 裁判所基準(弁護士基準)


    このうち被害者にとってもっとも有利な基準は、裁判所基準です
    しかし、被害者自身で示談交渉をする場合には、裁判所基準で計算した慰謝料を請求することができません。
    裁判所基準による慰謝料を請求できるのは、弁護士に示談交渉を依頼した場合に限られるためです。
    したがって、弁護士に依頼することで、被害者本人で交渉するよりも慰謝料を増額できる可能性が高くなります。

  2. (2)弁護士に交通事故被害の対応を依頼した場合のデメリット

    弁護士に交通事故被害の対応を依頼すると、以下のようなデメリットがあります。

    ① 弁護士費用がかかる
    弁護士に依頼をすると、弁護士費用の支払いが必要になります。
    弁護士費用の金額は、賠償額に応じて変わってきますが、事案によっては、弁護士に依頼することで費用倒れになる可能性があります。

    もっとも、被害者が加入する自動車保険に弁護士費用特約が付帯している場合には、基本的には弁護士費用の負担なく弁護士に依頼することが可能です
    また、法律相談料や着手金が無料の弁護士事務所で依頼することで、費用負担を抑えることができます。

    ② 解決までに時間がかかることがある
    弁護士に依頼すると、納得いく解決ができるまで粘り強く保険会社との交渉を行い、交渉で解決が難しい事案については、裁判で争っていくことになります

    そのため、ご自身で対応するよりも解決までに時間がかかる可能性があります。

3、弁護士が行う事故対応の流れ

弁護士に依頼した場合には、以下のような流れで交通事故対応を進めていきます。

  1. (1)適切な通院・治療のアドバイス

    交通事故でケガをした場合には、治療のための通院が必要になります。
    通院には、ケガの程度に応じて、適切な頻度や回数というものがありますので、将来適正な慰謝料の支払いを受けるためには適切な頻度や回数を守る必要があります

    弁護士に依頼すれば、病院への通院の頻度・回数、必要な検査などについてアドバイスを受けることができます。

  2. (2)後遺障害等級認定手続き

    症状固定と診断された場合には、残存している症状について、後遺障害等級認定を行う必要があります。

    弁護士は、後遺障害等級認定に必要な書類の収集や作成を行い、適正な後遺障害等級が認定されるように手続きを行うことができます。
    また、認定された後遺障害等級に納得できない場合には、異議申し立ての手続きを行うことも可能です

  3. (3)保険会社との示談交渉

    ケガが完治した時点または後遺障害等級認定を受けた時点で、弁護士は賠償額を算定し、保険会社との間で示談交渉を進めていきます。

    賠償額や過失割合などの条件で納得ができた場合には、示談成立により事件は終了となります。

  4. (4)訴訟

    保険会社との示談交渉では納得いく解決ができない場合には、裁判所に損害賠償請求訴訟を提起します。

    訴訟提起から期日対応まで、裁判手続きはすべて弁護士に任せることができますので、基本的には、被害者の方には負担は生じません。
    解決まで時間がかかる可能性はありますが、納得いく解決を行うためにも、しっかりと争っていくことが大切です

4、交通事故対応経験が豊富な弁護士に依頼すべき理由

交通事故の被害に遭われた方は、交通事故対応経験が豊富な弁護士に依頼してください。

  1. (1)賠償金の金額に差が生じる

    交通事故の対応は、「弁護士であればだれでもいい」というわけではありません。

    交渉力や知識・経験によって、最終的な賠償金額に差が生じることもありますので、経験豊富な弁護士に依頼することが大切です

  2. (2)スムーズな対応が期待できる

    交通事故対応経験が豊富な弁護士であれば、これまでにさまざまな事案を扱ってきた経験があるはずです。

    十分な知識や経験がある弁護士に依頼することで、事件への着手から解決までの時間を短くすることができます。

5、まとめ

交通事故対応を弁護士に依頼することでさまざまなメリットが得られます。
費用な時間がかかるというデメリットもありますが、実際にはデメリットを上回るメリットが得られるケースの方が多いといえます。

交通事故の被害に遭われた方は、早期に対応することにより適切な治療を受けることができ、適正な賠償金が得られる可能性が高くなります。
弁護士に依頼する際には、まずはベリーベスト法律事務所までご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています